ソーシャルデザインの世紀へ
[ テキスト ]
僕が一番伝えたいことは、これからの時代、『ソーシャルデザイン』という発想が要で、今を生きる一人一人が『ソーシャルデザイナー』になることが必要だということです。
デザインというとある特定の業種の人にしか関係ないように捉えられがちですが、その語源はデッサン(dessin)と同じく、"計画を記号に表す"という意味のラテンdesignare。
そこからデザインの本質的な捉え方は、「ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」なんですね。
確かに狭義の意味では「意 匠」「図案」などと捉えらますが、広義の意味では問題解決に向けて問題の発見から提案(表現)に至るまでのプロセスをカタチとして示し解決を導くことなのです。
つまり『ソーシャルデザイン』とは「社会課題」を解決するための仕組みということになるわけですね。
では今なぜ『ソーシャルデザイン』が必要なのか。
一言でいうとこれまでの社会システムが破綻して、もうこれ以上もたいないというところに来てしまっているからです。
僕らが生まれた20世紀はまさに近代の矛盾が噴出してしまった時代。その大きな要因は、近代化の中で高度化、効率化を追求するために世界を細分化し過ぎたことなのだと思っています。
ビジネス・学問・政策のあらゆる領域において、要素還元的なアプローチで特定の分野を深化することによっ て成果を出し、"豊か"になってきたわけです。
でもそのために社会全体がみえなくなってしまった。細分化されたある領域における役割だけを果たすようにな り、社会全体に対する当事者意識を失っていったのではないかと思うのです。
しかも役割・機能としての人間って全然生きている感じしないですよね。リアル じゃない。
もちろん社会全てを自分が背負うことはできないけど、世界をホリスティックに捉えて、もう一度、社会全体システムをデザインしていくことをやっ ていく時代に僕らは生きているのだと痛感しています。
バラバラになったものをつなぎ直し、社会を再編集することを通じて未来を創っていく。これから僕らが 創っていくべき21世紀は、これまでの常識を一旦リセットしパラダイムシフトさせていくことが求められているわけですね。
こうした大きな変革の時代をサヴァイヴしていくのは大変だし、不安だという声もたくさん聞こえてきます。
暗いニュースばかりですしね。
でも一方 で、そうした変化にとんでいるからこそ、とても面白い時代に生きているという見方もあるのではないでしょうか。
そしてこの時代をサヴァイヴしていくために 大切なことこそ、一人一人が今の社会を自らデザインしていく姿勢、『ソーシャルデザイン』を通じて社会に働きかけることだと思っています。
周囲を見渡して みると、既に様々な分野で動き出している人たちが現れています。
社会起業家(ソーシャルベンチャー)として事業を立ち上げている人、企業、行政、大学の中 で時に異端児となりながら新しいプロジェクトを始めている人、法律・ファイナンスなど専門スキルを生かして社会に貢献しようとしている専門家や自らのクリエイティブ力を生かしたアーティストやクリエイターとして動き始めている人。
立場・肩書きは様々で、時にいくつかの立場・肩書きを使い分けクロスオーバー させながら、未来を創ろうとしてる人たちのことを、僕らは『ソーシャルデザイナー』と呼びたいと思っています。
こうした人たちを応援したいし、自分自身も そうなりたいと思っています。
その応援していく仕組み、『ソーシャルデザイナー』のプラットフォームとしてNPOカット・ジェーピー(Cut-jp)を立ち上げました。
CUT とは「編集」という意味。様々な領域のソーシャルデザイナーたちとコラボしながらソーシャルプロジェクトを生み出していきたいと思っています。
その一つの プロジェクトとしてWEBマガジン『SOCIO design note /ソシオデザインノート』を創刊しました。
世代や有名無名を問わず、これから未来を創っていく『ソーシャルデザイナー』たちのコトバを通じて、 これからの社会を変えていくきっかけを創りたい。
またここで登場して頂いた人たちと分野・領域を越えて新しい動きを創っていきたいと考えています。
ただいきなり大きなことはできません。全体思考をもち、社会課題を自分の問題として引き受けながら、それでいて自分にできることを一つ一つ積み重ねてい くしかない。
そう思っています。
まさに"Think globally, Act locally"ですね。
時に自分の無力さに打ちひしがれることもあるけど、そうやって地に足をつけながら今を生きる、そんな"かっこいい大人"になりたいものですね。
"志"を同じくする仲間たちとここでの活動をきっかけに出会える事を心から楽しみにしています!